冬はつとめて

人生は勢い。ここはわたしの箱庭。

投影

最近よく夢を見る。前もちらっと書いた気がするけど、服用している花粉症用薬の副作用に「悪夢」というのがある。なぜ「夢」ではないんだろう。睡眠が浅くなるとか深くなるとかでもなく、夢を見る。しかも、悪い夢を。いい夢だといい気分になれたんだから副作用に挙げる必要はないぜー、とかそういう話ではないだろうし。

夢は毎晩見るけど、それを覚えている時だけ「夢を見た」と言い、忘れたときは「夢を見ていない」と言うんだ、と聞いたことがある。プチ哲学的な話でわたしの手には負えない。

 

見る夢は毎回違って、普段は職場の人が出てくる。昨夜はいつもと違って、登場人物はわたしのみ。わたしのみつったって、わたしの主観で進むからわたしの姿は見えない。哲学的な話なら、その「わたし」は存在しているのかとか考えるのかな。哲学オンチの戯言。

わたしは冷蔵庫の前に立っていて、冷蔵庫にマグネットが貼ってある。カブとかカボチャとか野菜のマグネット。埃をかぶってる。

なぜかその冷蔵庫はドアの表面に貼ってあるマグネットを全部取らないとドアが閉められない(全く構造がわからないけど、夢を見てるときは、マグネットを取らないとドアが閉められないことが当然の前提だった)(夢らしいだろ〜)。

新しいピカピカの冷蔵庫に、埃の積もった冷蔵庫が知らない間に貼られて、なおかつドアも閉められないもんだから、夢の中のわたしは肘から下の腕の部分を使って磁石をずり落としていく。腕をモップがわりにして、あわせて埃も落とそうという算段で。このやり方は、今思えば一回で終わるはず(少なくとも腕がカバーした部分は)なのに、実際(夢だけど)バラバラとほとんど全て落ちてる光景もあるのに、冷蔵庫にはまだ磁石があって、夢の中のわたしは「増えた」とかも何も思わず、「マグネットを急いで外してドアの表面もクリーンにしなきゃ!」という一心で腕をせかせかと動かしてる。

表面がやっときれいになっても、まだ閉まらないドア。冷蔵庫の側面を見ると、その面にもマグネットがある。側面のマグネットも取らないと閉まらない設定なんだけど、側面だから埃もさっきの比じゃないくらい積もってる。そこもやらなきゃいけないよなー!と意を決して手を伸ばしたくらいで記憶はない。

 

この話を会社の人(超優しい)にした。

笑ってくれたけど、端的に「病んでるね!追い立てられてるね!!やばいね!ストレスだね!」とおっかなびっくり気を遣われた。驚かせてごめんね…。わたしはわたしで「え?やばいですか?!」とか呑気に返事してた。

反対隣の人は「やばい……そんなに心配しないで、おかげさまで仕事の進捗は順調だから、休んでも大丈夫だよ…」ともっと心配された。一人だけ斜め向かいの人が「野菜のマグネットあるよね〜」と言ってて、食いつくのそこかいと思った。